心の支え

「カシュ」 最近毎日この音を聞いているような気がする。
昼に起きてだらだらとYouTubeを見る。 なにも頭も使わないくせに一丁前に疲れを感じる。 相変わらず部屋は散らかったまま、、、、、
目が覚めた。 散らかった部屋を片付けるか悩むうちに寝落ちしていたようだ。
考えるより先に行動できる人を羨ましく思う。物心ついた頃から行動することをどこか恐れていたような気がする。そしてそれはいつしか怠惰へと変わっていた。 今だってそうだ。羨んでる暇があれば部屋を片付ければいいのに、、、
—夜—
僕は一人夜道をコンビニへと歩いていた。 気づけば外は闇に包まれている。 “、、、寒い。”全くもって最近の昼夜の寒暖差にはイライラする。 いつからこんなことにイライラする様になったのだろう。怠惰な自分へのイライラが、だんだんと周りに(この寒さにさえ)向けられていたことに気づき心の中で反省した。 八つ当たりされる寒さに同情を覚えると共にコンビニの聞き慣れたメロディーが響き渡った。
心の支え。 人には心の支えが必要だと僕は思う。 友達、彼女、酒などなど。自分を許してくれる何かと支え合うことで幸せに生きていける、と僕は信じている。 彼女はいないが友達はいてくれる。こんな日は友達と電話やゲームをすればいいのだが、迷惑をかけてしまうかもしれないと考えてしまう。 まただ。考えるより先に行動すればいいのに、、、
“Jack Daniel’s” 気づけば僕はまた酒を手に取っていた。 結局のところいつも僕を許してくれるのは酒だった。 ただ今日は違う。今日手にしたのは何故かハードリカー。いつもと同じ毎日への自分なりの抵抗なのだろうか。 、、、今思えば酒は僕を許してくれるのに、僕は酒に対して何をしてあげられているのだろう、、、 そんなくだらないことを考えながら僕は自宅へと戻った。
「くわぁー、酒しか勝たん!」独り言が部屋にこだまする。今日はじめて口にした言葉だった。掠れた響きだった。 ブラックコーヒーでイキる中学生のようにウイスキーをストレートで口に含む。高い度数で体を痛めつけることで何か許されたような気がした。 それでも明らかに体に悪いその味を臆病な僕は拒絶し、気がつけばいつもと同じ恵比寿ビールを用意していた。
恵比寿ビール。僕の心の支えはやはりこいつだけだったようだ。 結局いつもと変わらない。 「カシュ」 あぁ、この音だ、、、 どうりで聞き覚えがあったわけだ。はっきり覚えていなかったが昨日もほとんど同じ夜を過ごしたらしい。 今日のことも明日には忘れ、また同じ怠惰を繰り返すのだろうか。 まぁいい、今の酔った僕にはどうでもいいことだ。
村上春樹になりたいちぬき
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