あ、僕のセリフじゃないです。そんなダサカッコいいセリフ、一度は吐いてみたいですけどね。
今日は、そんなタイトルの恋愛小説を読んだので、その紹介を少し。
実を言うと、これまで恋愛小説なんて一度も読んだことがありませんでした。けれど、興味の偏りは良くないと思い、人生初チャレンジ。中高で経験できなかった分のもうめちゃくちゃに甘酸っぱいヤツを期待していたのですが──ところがどっこい、21の僕が読んでギリセーフ、くらいに大人な恋愛でした。
作品は、20代後半以降の女性を主人公にした短編集で、なんと24編も収録されています。
どの話もリアルで、ちょっと痛くて、そして少しだけ救いがある。気づいたらページをめくる手が止まりませんでした。
タイトルから察せられるように、そこにあるのは僕が想像していたような綺麗で透明な恋愛ではなく、もっと現実的で、泥臭くて、時に醜い“人間の感情”そのもの。作者は恋愛に付随する不安や自己嫌悪、矛盾した思いを、まるで心の中を覗いてきたかのような筆致で描き出します。
ところで、一時期(まだ流行ってる?)MBTIが若い世代で流行り、恋愛でも「相性がどう」と気にする人がいましたよね。僕は「いや、人間そんな単純じゃないだろ」と思ってしまいます。この本は、そんな安直な分類を軽く吹き飛ばしてくれる。人の心ってもっとぐちゃぐちゃで、でもそこに確かに美しさがあるんだなと感じさせられます。
あなたの感性を一気に引き戻してくれる、”恋愛の処方箋”。いかがですか?
「ゆうべ、冬の陣に落ちた夢を見て焦った」 りく
