暗い狭い階段を踏み外さぬように慎重に登っていく

大音量で流れているハイテンポな音楽と何者かが機械をビシビシ叩く音が徐々に近づいてくる。階段を登りきった先に広がる景色は見たことのない空間だった。そう。それは音ゲーワールドであった。ぽん先輩に導かれフリちゃんとよしのすけはとある機械に近づいていく。pop’nmusic という名のその機械がぽん先輩の手でしばかれることは予想はついていた。しかしそれに続く衝撃はその予想を遥かに超えるものであった。ぽん先輩の手は始め機械のボタンを優雅に舞っていた。だが音楽が早まった瞬間その手の動きといったらショパンの革命のエチュードを弾いているのではないかと見間違えるほどの速さであった。手のひらだけではなく指一本一本が自立し独立して動いていた。ゲームの画面で譜面を追ってみたがコンタクトが干からびて視界がぼやけ見ることでさえ困難であった。演奏が終わり額に汗をにじませたぽん先輩に日本で何位ですかと尋ねるといや、これはまだレベル44とかでまだレベル50以上もあるんだとのこと。たしかに周囲を見渡すと同じように隣り合わせで全身全霊体を震わせながらものすごいスピードで機械を叩いている人々が並んでいた。どう考えてもレベル44は並大抵の努力では達することはできないだろう。だがまだまだ上には上がある。私はぽん先輩に日本の最高峰を目指して欲しい。そう思いながら3人で通ってきた暗い階段を下って明るい昼のひようらへと足を運んだ。
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